まったり薬剤師道中
薬剤師にジョブチェンジ。今更知った薬の知識をぶつぶつ公開
カッチャッタ♪カッチャッタ♪
ゲームキューブをカッチャッタ♪
…………
いや!でもまだ風のタクト買ってないから!!ハードだけ!ハードだけしか買ってないよ!?
なんか楽天見てたらたまたま目についちゃったから!そういうことってあるよね!?
それにソフトのないハードなんてただの箱だsorz
んで、今日は何をかこーかな、と思ったんだけど、正直授業のSGDで頭がいっぱいなので端から見れば何を書いてるかわからんことについて覚え書き程度にまとめておくだけにします。
スモールグループディスカッション(SGD)とはある課題について少人数で話し合って答えを導き出すという物。んで、今回我々に下された課題は処方箋内容より患者の病名を特定し、薬の処方箋に重大な間違いが無いかを見つけ出すというものです。
で、以下処方箋内容↓
患者は54歳男性。最初処方処方された薬は全部で11種類。
1)ケイツーカプセル5mg
これはビタミンK製剤で、骨粗鬆症の頭痛改善に主に使われる薬。
2)カナマイシンカプセル250mg
抗菌薬。
3)ラシックス錠40mg
ループ利尿薬
4)アルダクトンA錠50mg
K保持性利尿薬
5)ホクナリンテープ2mg
ツロブテロール(β2刺激薬、気管支喘息発作予防)
6)ユニフィルLA錠200mg
テオフィリン製剤(気管支拡張薬)
7)パリエット錠10mg
ラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤、胃酸分泌抑制)
8)レンドルミン錠0.25mg
ブロチゾラム(不眠症治療薬)
9)セルテクト錠30
オキサトミド(H1受容体拮抗薬第二世代、蕁麻疹治療)
10)リンデロン-VGクリーム0.12% 10g
ベタメタゾン(蕁麻疹、湿疹、皮膚炎治療薬)
11)アミノレバンEN
慢性肝障害時の脳症改善
んで、併科・併用薬無し。副作用歴無し。アレルギー無し。飲酒の習慣・喫煙無し。
しばらくこの薬で行った結果、便秘が強いという訴えがあり、新たに
12)モニラック・シロップ(65%)
ラクツロース(肝疾患治療薬)
が処方されているようです。
まぁざっと見た限り、疑うべき病態は肝不全と喘息かなぁ?というのは何となくわかる。
これだけ肝臓機能の低下に対する薬が出てれば、もう肝硬変で間違いはないだろう。
そこで肝硬変の病態を紐解いてみると、特筆すべきは肝性脳症を起こすこと。
肝臓で処理されるべきアンモニアが処理できず、脳に行って意識障害を起こすという物。
その症状は初期では睡眠リズムが狂ったり、人格や行動が微妙に変化することがある模様。
その予防&治療に用いられているのが、ぱっと見8)と11)それに12)だけなんですが、
2)のカナマイシンは腸内細菌のアンモニア産生の抑制を目的として使用されている様なので、これも肝硬変に対する薬。またカナマイシンは副作用としてビタミンKが低下してくるため、その補充として1)のケイツーカプセルが処方されているようです。8)のレンドルミンは生活リズムを崩さないために処方されているようです。
肝臓は体に入ってきた微生物を処理する免疫細胞が沢山存在するため、これが機能しなくなって炎症を起こしたりすることもあるようなので、その要望にもカナマイシンは答えているようですね。
肝硬変の症状として二つ目に上げるべきものとしては腹水が溜まること。
血管は心臓から肝臓を通り再び心臓に戻るので、その途中の肝臓がダメになると前段階の血管では水が蓄えきれず、外にあふれ出してきます。その改善として、3)4)の利尿薬が出されたようですね。
肝硬変の症状の三つ目として、消化管が傷害されること。
消化管と脾臓から血流を集める門脈というのが肝臓には通ってるんだけど、これが上記のような理由で圧迫され、いろんな場所にその圧力を逃がそうとしてたくさんの別経路を作っちゃいます。これらが静脈瘤なるものを作ってしまうわけですね。
んで、こんな状態なってつくられちゃった多くの新しい血管は、大抵が消化管に露出している状態になってしまうようで、簡単に傷つけられて消化管が出血しやすい状態になっている模様。
なので1)のケイツーカプセルは止血作用を持ち合わせるので、その効果も期待。 7)のパリエット錠は胃酸分泌を抑制することで不用意に露出した血管を刺激するのを抑制。
あと一見よくわからないかゆみ対策の9)10)は薬剤の副作用として出てくる蕁麻疹に対する対症療法のようです。
んー。それで困ったのが5)のツロブテロールと6)のテオフィリン。こいつらは私の考え的に絶対肝硬変とは何の関係もない…と思う。
つまり喘息説を主張したのですけど、「喘息はアレルギーだ!」と主張する一派が現れ困惑中。
小児喘息(アトピー性)は間違いなくアレルギー性なんですけど、成人喘息のほとんどはIgE抗体の関与しない非アレルギー性のもののはず。非アレルギー性ってことはアレルギーじゃないわけで、つまりアレルギー無しという患者の主張に矛盾は無い・・よね?
友人からこれはひょっとして食道静脈瘤に対する対策なのでは?との意見もあって、「あー」とも思ったんですが、医学部の人に訊いたら「その発想にびっくり」だそうです。静脈瘤は取り除くか、初期の段階で薬を使うにしても血管に作用するβ遮断薬が主な処方になるとかならないとか。うーむ……。
一応ググってみたんですが、やっぱり静脈瘤に対して気管支拡張薬を投与するということは無い模様。
なのでやっぱりこれは喘息なんだろう!?ええ違うんか!?といのがやっぱり私の主張です。
まぁこんな感じで、病態についても揉めてるんですけど、この処方内容の問題点でも個人的に揉めてます。
完全にスタァアァァァップ!なのがラシックス(ループ利尿薬)。
お前はダメだ。肝性昏睡の人に禁忌です。まぁこの人は昏睡まで行ってないけど。でもそのほかにもカナマイシンと相互作用を起こすので除外。
代わりに何の利尿薬いれるー?ってなるんですけど、「とりあえずチアジド系はだめだよねー」ってなっちゃって、私もその時は同意。でもよく見てみたらチアジド系の禁忌項目で肝障害ってのはないんですよねー。
カナマイシンとの折り合いもよさげなので、一応副作用で肝障害のないフルイトランあたりで手を打ちたい。つかこれ肝性浮腫に適応あるし。
んー、とりあえず明日はこんな意見で戦ってみる。
たぶん医学知らない人がこれ見てもよくわからないだろうなー。
すみません……。あした(今日)は鎮咳薬の選び方を書くつもりです。
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分厚い小説は一日で読み切るくせに分厚い教科書は一年たっても読めない。
三度の飯より寝ることと遊ぶことが好き。
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